岐阜県の伝統工芸品

美濃和紙・岐阜提灯

岐阜県は古くから和紙の産地としても知られています。

岐阜県の美濃和紙の歴史は古く、奈良時代に作成された戸籍用紙にも採用 されているほど昔からある和紙です。 現存する日本最古の紙であると言われており、今でも奈良県の正倉院に当時の 美濃和紙が丁寧に保管されています。 この美濃和紙の名が全国的に広まったのは室町時代で、当時の権力者であった 土岐氏が開いた六斉市(ろくさいいち)と呼ばれる紙市場で日本各地に出荷 されたことがきっかけとなりました。 それまでは地元でしか知られることのなかった美濃和紙が、六斉市のおかげで 全国的に有名になったのです。 このへんの仕組みは今と同じようなもので、それまでは地元民しかしらなかった マイナーなものが、全国ネットのテレビ番組で取り上げられたり、雑誌で特集 を組まれて急に人気に火が付くようなものでしょう。 本当に良いものならやはりみんなに知ってもらいたいものです。 今では国の伝統工芸品として認定されている美濃和紙の特徴は、温かみのある色艶 をしており、紙自体は薄いのですがまるで布のように丈夫なことです。 流し漉きと呼ばれる伝統的手法で丁寧に生産される美濃和紙は、機械では とうてい不可能な美しさを産み出します。 その特性を生かして岐阜提灯や障子紙などにも使われているので、美濃和紙 のお土産をと考えているのであれば岐阜提灯なんかがよいかもしれません。 岐阜提灯はその名の通り岐阜県で作られている提灯で、実は岐阜県は提灯の 生産地としても有名なのです。 提灯向けにぴったりの美濃和紙があるからこそ、この地で岐阜提灯が産まれたと いっても決して過言ではないでしょう。 昔から美濃地方は上質な和紙だけでなく竹も豊富だった土地で、さらに長良川の 存在もあり提灯の生産に適していたのです。 地方の名産品が生まれるにはそれなりの理由があるのです。 提灯とは細い竹ひごの骨格の上から薄くて丈夫な和紙が貼られるので、 美濃和紙の特性を最大限活かす事ができます。 岐阜提灯は美濃和紙に花や鳥、四季の風景などの絵が描かれており、暗い夜道 を照らす提灯本来の役割だけでなくお土産としても喜ばれる一品です。 昔はもっと質素な提灯だったようですが、改良を重ねるうちに現在のような デザイン性の高い提灯へと変化してきたようです。 岐阜県内でもお盆に使われたり、照明具としてだけでなくインテリアとしても 普段から親しまれており、お土産としては日本人だけでなく外国人の方にも人気 があるアイテムです。 たしかに提灯は日本らしいお土産で、日本マニアには喜ばれるのでしょう。